著者:エレン・G・ホワイト
訳者:森田松実、福音社編集部
判型:A5判、376ページ
初版年月日:2020年9月1日
食事と食物に関する勧告
本書の内容は、『食事と食物に関する勧告』というタイトルそのものです。いずれの文章も、100年以上前の文化的背景の中で書かれたものであることを念頭に置いて、読んでいただきたいと思います。
もし、分厚い本書をどこから読もうかと迷われる読者がいるとしたら、まず次のようなところから読み始めることをおすすめします。
最初に、巻末に収録されている「付録1」。その冒頭には、本書を読む際の心構えとして、3つの原則が記されています。
第1:「食事の改革は前進すべきものである」。
つまり、この改革に必要な真理は、時代とともに少しずつ明らかになっていくということ。
第2:「私たちは食事について守らなければならない正確な線は引かない」。
つまり、事細かに、これはダメ、あれはダメと、厳密な線引きをしないということ。
第3:「私は自分自身を、他の誰のためにも基準としない」。
つまり、食事や食物は個人との相性があって、自分を基準にはできないということ。エレン・ホワイト自身、「私の家族の中には豆が非常に好きな者がいるが、私にとって豆は毒である」と書いています。次に、第11章「食事における極端」、第16章「衛生病院の食事」。
エレン・ホワイトは、食事の改革が極端に走ることをとても心配していました。実際、極端に走った信徒たちによって、すでに問題が生じていたようです。その点をきちんと踏まえたうえで本書を読むことは、重要だと思われます。他に本書の特徴としては、食物の栄養だけでなく、消化吸収の側面が重視されていること(腹8分目、1日2食の推奨)、また食事と性格、食事と霊性の関係が強調されていることなどが挙げられるでしょう。